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2023年11月29日
開催レポート：INDEST勉強会 #9 「シリコンバレーの技術トレンドと注目スタートアップ」
日時2023年10月26日（木）16:30～18:30（現地参加のみ）
10月26日（木）16:30～INDESTでは、勉強会#9「シリコンバレーの技術トレンドと注目スタートアップ」を開催致しました。今回の講師は、NTT Communicationsイノベーションセンター担当部長:小室智昭氏。
ここ数年、スタートアップが”生まれる地域”とその企業が活躍する”産業”のクロスボーダー化が更に加速化したと言われています。世界中で生まれた企業は、世界最大市場の1つである米国を目指す過程でシリコンバレーと接点を持つ傾向にありますが、それはシリコンバレーが単にスタートアップをインキュベートする役割だけでなく、それを拡大するためのインフレクションのポイントの役割も担うようになってきたから、なのだとか。
小室氏は、2006年から2度にわたってそんなシリコンバレーにご赴任され、現在も現地でグローバルなスタートアップとのビジネス連携等をご支援されております。シリコンバレーの日系企業や駐在員、特派員とのネットワークも広く、現地からレポートもご執筆されております。
今回は、シリコンバレーで多くのスタートアップに関わってこられた小室さんだからこそ感じられた視点をお話頂きました。
1. イノベーションを支えるエコシステム
ベイエリアのエコシステムを支えるステークホルダーとしては、【投資家（CVC）】、【Startup】、【大学（R＆D）】、【Accelerator or Incubator】、【企業】の5つが挙げられます。
人と技術の出会いは、投資家、Accelerator、コミュニティ、知人などのネットワーク形成が成功の鍵であり、年間約1,500社との出会いの中からPoC（Proof of Concept）や PoB (Proof of Business)が進行し、最終的にサービス提供へとつながるのは年間5社くらいなのだとか。
またシリコンバレーとの協業サイクルにおいては、情報収集→Startupの発掘→関係構築→情報発信→技術評価→PoC→商用開発→Follow UPが重要なプロセスであり、成功事例は本国への情報発信に2-3年かかることもあります。“ヒトと技術を繋げる”という、「共創」よりも「共走」の発想が重要であり、情報発信やイベント、ウェビナー等を通じての仲間づくりが進められています。
Startupのライフサイクルにおいて特に重要なのは、 “what is missing in the world” （世の中で足りていないものを見つける視点）と“find a co-founder”（共同創業者をいかにうまく見つかれるか）の2点。Airbnb社のように、ユーザーがサービスを使い続けるようになるまで何度も試行錯誤を行うことが成功の鍵のようです。
２. シリコンバレーのTrends
AIトレンドでは、“AI(目：判断する)”から“Gen-AI(頭脳：考える)”へのシフトに注目。Gen-AIのエンジン開発→プラットフォーム開発→ソリューション開発までの流れや医療や農業、セキュリティ領域でGen-AIが業界を大きく激変させる事例が紹介されました。またEV（電気自動車）も2023年Q1では、約3.69 millionドルの市場規模まで拡大、クリーンテック分野においてはフュージョン・エネルギー（軽い原子核を高温・高圧で融合させて重い原子核に変える際に放出される「核融合エネルギー」）が2030年代まで脚光を浴びています。小室さん自身も期待されているこのフュージョン・エネルギーは、科学的、技術的なチャレンジにより多くの企業が誕生。国防、航空・宇宙、船舶など様々な分野での応用がなされているようです。また、各分野での注目すべきスタートアップ達もご紹介頂きました。
3. 日米ワークスタイルの違い（Team vs Individual）
日本とアメリカでのワークスタイルの違いが強調され、日本では専門家は、チーム内にはいない場合が多い一方で、アメリカはエキスパート集団でチームがつくられること、また企業の繋がりというより、個人同士の連携がより重要であると述べられました。
最後は、Amazon.comの共同創設者であるJeff Bezos氏の「Let curiosity be your compass（好奇心を自分の指針に！）」という素敵なお言葉をご紹介頂き、プレゼンテーションを締めくくって頂きました。“be Yourself”であることと“Originality”の大切さについて、改めて考えさせられた一夜となりました。
小室様、ご参加者の皆様、本当に有難うございました。
（By：INDESTコミュニティーマネージャー湯原理恵）
講師紹介
小室智昭 氏
NTT Communicationsイノベーションセンター担当部長。2016年から2度にわたってシリコンバレーに赴任し、現在も現地におけるスタートアップとのビジネス連携やクライアントのDX推進を支援している。情報通信の最新トレンドを分かりやすく解説する「InfoComニューズレター」（情報通信専門のシンクタンク：「株式会社情報通信研究所」提供）にて、シリコンバレーやカナダからの現地レポートを配信中。InfoComニューズレター 情報通信の最新トレンド (icr.co.jp)
タイムテーブル
16:30 ご挨拶・INDEST紹介
16:35 小室智昭氏による講義
17:20 Q&A
17:30 交流会 (～18：30終了)
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