大学院医歯学総合研究科

本研究ではヒト患者摘出腎由来のオルガノイドのライブラリを⽤いて、semi-personalizedな薬剤の毒性試験のプラットフォームを開発する。特に慢性疾患の創薬において、ヒトとマウスを中⼼とした動物モデルとの差異が無視できないものとなっている。研究代表者は患者摘出腎に由来するオルガノイドを複数の患者において均質な⽅法で作製することに成功している。また、すでに29例のヒト摘出腎由来初代細胞の樹⽴を⾏っている。このオルガノイドを同時に作製しライブラリ化して、新規薬剤を投与することで、その腎毒性をsemi-personalizedな形で臨床試験直前の⾮臨床試験として検討することを可能とする。
研究代表者は、本来は腎臓内科医であり、腎臓内科領域の最も重要な疾患である慢性腎臓病(CKD)に有効治療法が開発されていないことについて、⼤きな問題意識を抱えていた。数⼗年単位で進⾏するCKDに正確にアプローチするためには、動物モデルとヒトの差異を埋めることが不可⽋であり、これが本研究開始の端緒となった。
⽶国のFDAは、動物モデルとヒトの差異のために、今後ヒト細胞やAIによる非臨床試験に切り替えていく⽅針を⽰している。ヒト細胞を⽤いた⾮臨床試験系で、体系的でヒトの⽣物学的多様性を模倣し得るsemi-personalizedなものは開発されていない。研究代表者はこのアンメットニーズを先陣を切って解決していきたい。今年度中に、本学発のバイオベンチャーの⽴ち上げに取り組んでいきたいと考えている。
非臨床試験・オルガノイド・ヒト初代細胞・疾患モデル