生命理工学院 人間医療科学技術コース
乳幼児の睡眠は未発達で夜泣き・昼夜逆転等の問題が多いが、乳幼児の家庭での睡眠を測定する手軽な方法は存在しない。本計画では申請者がこれまでに開発した乳幼児生体情報取得システムSciBabyを基に、乳幼児の睡眠を記録・可視化するスマートフォンアプリSciBaby SLEEPのプロトタイプを開発、一般家庭でのモニターにて睡眠判定精度を計測する。そしてアルゴリズム改善により精度よく乳児状態を判別できるアルゴリズムの確立を目指す。また保護者や小児神経疾患を専門とする医師にとっての有用感についてヒアリングを行う。これらを総合し、さらにSciBaby事業化準備に向け、GAPファンド等の応募も行う。
赤ちゃんの泣きや睡眠は正常範囲であっても古来親の悩みであり、育児ストレスの原因ともなる。さらには産後うつや衝動的な揺さぶりなどの児童虐待に発展することもあるため解決が必要であるが、技術的な困難からこれまで定量化技術が開発されてこなかった。
本研究では、近年発展が著しいウェアラブル技術と家庭に普及したスマートフォン及び通信環境という社会インフラを生かし、家庭での乳幼児睡眠を低コストで計測する技術を開発する。研究期間後には、作成したSciBaby SLEEPをヘルスケアアプリとして公開し、非臨床域乳児の生体情報ビッグデータを集積する。最終的に夜泣きの低減、児童虐待の防止や少子化対策といった社会課題の解決に貢献したい。
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