工学院電気電子系
本研究では、ダイヤモンド中の窒素・空孔中心を用いた量子センシング技術を進化させ、社会インフラや海洋分野への応用を目指します。ダイヤモンドは高温・高圧・腐食環境に耐える特性を持ち、磁場・温度・圧力を高感度に計測できる点で既存センサを凌駕します。これまでに申請チームは、試料作製から小型化、屋外での実証まで一貫した成果を蓄積しており、電線や海水中での動作を確認済みです。本研究ではさらに、水道管や送電線を対象としたプロトタイプ開発を行い、耐環境性能や計測精度の検証を進めます。また、深海資源探索に資する計測手法の設計も試みます。本 GAP ファンドを通じ、これら要素技術を事業化へ橋渡しする基盤を確立します。
私たちのビジョンは「ダイヤモンド量子センシングで人類の知覚の地平線を広げる」ことです。社会インフラの老朽化や海洋資源探索の課題に対し、これまで見えなかった内部や深部を非侵襲に可視化し、安全で持続可能な社会に貢献します。ダイヤモンドは日本が独自の強みを持つ材料ですが、その量子技術応用では欧米や中国が先行しています。GAPFund での研究成果を早期に事業化へとつなげ、その先には量子センシングを社会基盤に組み込み、都市インフラから海洋開発までを支える日本発の新産業を創出します。その過程で、情報通信、機械、材料など異なる産業分野の企業をつなぎ、国際的に競争力のある日本の姿を実現していきます。
ダイヤモンド、量子センシング、インフラ、海洋資源、社会実装