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渡邊 健太

研究代表者

渡邊 健太 助教

物質理工学院 応用化学系

課題名

新規光機能デバイスの創成を志向した全固体電気化学系で動作するLi⁺脱挿入性光電極の開発と動作原理解明

研究の概要

太陽光エネルギーの利用技術が、カーボンニュートラルの観点から注目されている。光電気化学は光→電気→化学物質と変換することで、光エネルギーの貯蔵を可能にする。全固体電池の発展に伴い、通常(暗時)の電気化学が全固体系でも成立するものになったのに対し、光電気化学は全固体系には展開されていない。新たな光電気化学系の確立は、新たな光電気化学反応やこれを応用した新規光機能デバイスの創成につながる。応用例の1つとしては、全固体光蓄電池が挙げられる。全固体系における光電気化学では、光応答とLi⁺脱挿入の両立が求められ、これを満たす半導体電極材料が技術のコアになる。本研究では、全固体系で動作可能なLi⁺脱挿入性光電極を開発し、動作原理の解明を目指す。

研究成果の事業化によって成し遂げたいビジョンや思い

初めに、申請者は「このままではカーボンニュートラルにかかわる科学技術のすべてが実用されずに頓挫するのではないか」という危機感を抱いている。理由としては、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標設定が高すぎる点、理論値に近い性能を示し、すでに社会実装している太陽電池ですら生活基盤として普及していない点、太陽電池における種々の問題によって、カーボンニュートラル関連技術全体への否定的な意見が一般人から出ている点などが挙げられる。カーボンニュートラル関連技術のなかでも、ペロブスカイト太陽電池、光触媒、全固体電池などは、日本人の先達らが見いだしてきたものであり、日本人研究者の1人である申請者としても実用化を切望するものである。そして、申請者らが大きく寄与してきた光蓄電池も、既存技術と同様の問題を抱えると予想される。

このような現状を打破するために産官学の連携が重要であることは当然である。しかし、少なくとも国内において、実用化を本気で目指して産官学の連携が密に行われているのは、二次電池の分野くらいだと思われる。その他の分野では、寄与の割合は官学に偏りがちである。この理由として、産である国内企業の大半が、利潤に直接つながらない研究開発に取り組む余力がないことが考えられる。逆に、リチウムイオン電池という大きな成功例があるため、国内企業も二次電池の研究開発には勝算があると判断し、積極的に産官学の連携に参加するのではないかと考えられる。したがって、光蓄電池のような不確定要素の多い新技術を大きく発展させるためには、スタートアップやベンチャー企業を設立し、自ら産として官学と連携していく必要がある。以上のことから、本支援を通して、事業化やその後の産官学連携、その先の実用化に繋げていきたいと考える。

関連ウエブサイト

平山研究室 | 東京科学大学 物質理工学院 応用化学系

キーワード

全固体系における光電気化学・物質変換を伴う光エネルギー変換