工学院・機械系

本研究では、風力発電機のブレードの損傷箇所から発生する空力音を用いた、ブレードの異常検出手法の開発を行う。風力発電機の基部に設置したマイクロホンまたはマイクロホンアレイにて、損傷箇所からの発生音を収録し、信号処理により損傷位置や損傷程度を推定する技術の構築を目指す。風力発電ブレードの損傷検出には様々な手法が存在するが、音を用いた手法は、どのような発電機にも低コストで後付が可能であり、かつ回転を止めずに常時モニタリングできるという優位性がある。近年、音を用いた損傷検出デバイスが国内外で複数開発されているが、損傷の有無の検知や損傷程度の推定にとどまっている。本研究で開発する技術は、ブレードのどこに損傷が存在するかを推定可能である点に独自性がある。
現在世界には34万基、日本には2700基以上の風力発電機があり、2050年ネット・ゼロ達成に向けて、今後さらに増加していくと考えられます。一方で、メンテナンス技術については、回転を停止させて点検する技術については研究が進んでいますが、回転を停止させずに常時モニタリングする技術はあまり発展していません。最近でも2025年5月にはブレードの破損による死亡事故が起きていますが、このような事故を未然に防ぐためにも、損傷の常時モニタリング技術の開発が望まれます。世間的には風力発電機の新規建設やその能力などに注目が集まりやすいですが、メンテナンス技術にも着目して、2050年以降も継続可能なネット・ゼロを実現したいと考えています。
風力発電機・異常検知・音・マイクロホンアレイ・音響信号処理