総合研究院・ゼロカーボンエネルギー研究所
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海事産業のZC化は世界的重要課題で原子力が具体的な解決策となる可能性があるにも関わらず、十分な導入シナリオや普及性評価、船舶と炉心側との結節性、想定される核燃料消費や廃棄物の検討が不十分である。東京科学大学を中心に開発してきた統合核燃料サイクルシミュレーターと海上技術安全研究所で開発されてきた海事システムシナリオ解析コードを連結し、より具体的な原子力動力船による海事産業のZC化への道筋を描く。IAEA原子力利用3倍シナリオに合わせた詳細な燃料供給戦略、廃棄物管理、処分戦略、原子力動力船の普及シナリオを日本の核燃料サイクルとの結節性に留意しながら検討し、海事産業のZC化を評価する。
設計開発した炉心の知財化や船舶の型式認証、販売も考えられるが、原子力、実際ビジネス化や普及性、あるべき社会に対して何故その炉心が必要なのかという明確なビジョンの提示が不足しているため、原子力イノベーションに向けた動きが日本では遅いことが指摘されている。原子力による海事産業のZC化には原子力側からの高い専門性に基づくアプローチが必須である。現状、日本には原子力と海事産業を効果的に結つける戦略を立案できる拠点や企業体が存在しない。ZC化のための原子力のポテンシャルを提示することは、大学を起点とした事業として社会的に求められる活動といえる。海事産業と原子力産業を結節させ、燃料製造や再処理、廃棄物、船舶導入シナリオまで含めた原子力システムの可能性を示したい。
ゼロカーボン社会の達成・原子力船・普及性・核燃料サイクル・原子力イノベーション