2025年3月6日
日時2025年 2月28日(木)14:00-17:00
東京科学大学では未来の起業家をそだてるべく、学生向けに「学生スタートアップチャレンジ※」というプログラムを提供しています。
第8回目となる2024年度の本プログラムには、本学学生がリーダーを務める5つのチームが採択され、それぞれのアイデアを形にするための新たなビジネスプロトタイピングに挑戦しました。その成果発表の場として、2025年2月28日に「学生スタートアップチャレンジ最終報告会2024」を開催いたしました。プレゼンテーションのち、メンターとの質疑応答を交わしました。
開催日: 2025年2月28日 14:00-17:00
会場: INDEST
本イベントは、イノベーションデザイン機構進士副機構長による挨拶で幕を開けました。東京科学大学におけるイノベーションデザイン機構の取組を紹介し、学生の取り組みを讃え、本プログラムの最終日となる本発表会が「ゴールではなく、さらなるチャレンジを進めるためのスタート地点」であることも強調しました。また、メンターへの感謝のことばを重ね、後の継続的な支援の重要性についても述べました。
本プログラムに参加した5名の学生が、それぞれの研究・ビジネスアイデアを発表しました。
「創薬を加速する核酸戦略:構造予測で切り拓くde novo核酸医薬品設計の未来」
Aptamerの設計とAIベースの立体予測技術を活用し、従来の抗体医薬品が抱える課題に対する新しい創薬戦略を提案。計算機シミュレーションを活用し、従来の探索プロセスを加速するパイプラインを構築。今後は、プロトタイプ開発の次段階として、機能検証なども目指す。
「The Design and Invention of a Novel Wave Energy Converter (WEC)」
波力エネルギーを活用した再生可能エネルギー技術を提案。従来の波力エネルギー変換装置(WECs)が抱える低効率の課題を克服するため、調整可能な斜面を持つ新しい設計を考案。物理・数値モデリングを活用し、論文発表・特許取得を目指す。
「スマートホームで水素をつくる暮らし」
水素カートリッジを家庭内で活用するエネルギー貯蔵システム開発を提案。電気と水素を統合管理し、持ち運び可能なカートリッジを利用することで、災害時のライフライン維持にも貢献する。実現可能性を検証し、家庭向けの脱炭素ソリューションとしての市場投入を目指す。
「地域のシニアコミュニティを健康拠点化する『彩色生活カルテ』」
高齢者の健康情報を地域で共有・活用するためのデジタルツールを提案。シニア向けの情報カードを活用し、簡単な操作で健康状態を記録・共有できるシステムを開発。地方自治体との連携を進め、行政サービスとの統合を目指す。
「様々な疾患の予防や体質改善に効果的な献立の開発」
腸内環境を分析し、個々の体質に合わせた最適な食事プランを提供する技術を開発。管理栄養士向けのデータ提供や法人向けの健康管理プログラムとしての展開を視野に入れ、健康経営を支援する新たなサービスモデルを提案。
各発表後のディスカッションでは、プロジェクトに対する質疑応答が活発に行われ、技術革新の可能性や市場への適用、事業化の課題などについてさまざまなフィードバックが寄せられました。「急いでも仕方ないものもあるが、技術革新やマーケットの変化を考えると、アクセルを踏むべき時もある」「必要なのは、圧倒的な行動力と行動の質。それが備わっている」などの激励の言葉も飛び交い、今後に向けての前向きな力となりました。
結びに、進士副機構長は学生たちの挑戦と成長を称賛し、今後のさらなる飛躍を期待すると述べ、また、本プログラムにご協力いただいたメンター各氏、関係者への感謝を伝えました。
東京科学大学は、引き続きスタートアップ支援を強化し、学生が技術とビジネスの両面で成功するための環境を整えてまいります。引き続き、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
(テキスト・サムネイル CM・URA 小川由美子)