2024年度採択者
2024年12月17日
大きな一歩につながった、TTSCでのチャレンジ
参加プログラム|令和 6 年度 東工大基金による学生スタートアップチャレンジ(第8回Tokyo Tech Startup Challenge 2024))
生命理工学院生命理工学系生命理工学コース 博士後期課程に在籍中の千葉のどかさんは、2024年6月より本プログラムに参加(採択期間2025年2月末)。同学科所属の小山歩さん(生命理工学院 生命理工学系 生命理工学コース 修士課程)と予算を獲得、立ち上げ予定の事業に関するプロトタイプの開発や、イベント開催などを行っています。これから起業を目指す千葉さんに、本プログラムを通じての経験や感想、今後の展望について伺いました。
経験したこと
プロトタイプ開発、プロトタイプ販売イベントの開催、顧客候補のニーズ調査、競合調査など。
感 想
採択は、自信につながりました。上限金額100万円のTTSCプログラムですが、実際に承認されたのは、当初計画より大幅減額された金額でした。しかし、ここでは「採択/不採択」という二択での結果ではなく、「減額であっても認めていただけたこと」が、自分にとってすごく良かったと感じています。
予算を軸に、再度計画を練り直すこと自体も、あたらしいチャレンジにもなりました。審査や中間報告の場面での丁寧なフィードバックも「次」に向かう背中を押してくれたような気がします。予算執行のノウハウを学び、全体をどうデザインするか。助言をもらいながら考えることで、やみくもに大きなお金を与えてもらうより、着実に取り組みを進められたのではないか、と感謝しています。
メンターの佐々木喜徳さん(株式会社ガイアックス)には、アンケートデータの分析方法やインサイトの得方などを丁寧に教えていただき、実践的な取り組みにつながっています。毎月のメンタリングで細やかにサポートいただけるおかげで、研究室で身につけた統計解析手法とは異なる、ビジネス視点でのニーズの定性調査の手法、データ活用方法などを知り、計画立案から実施までの一連のプロセスを経験させてもらえたように思います。あわせて「ビジネスモデルを1000個作るイメージで検討しろ」と言われたことは、転機となるくらいのインパクトで。それだけの勢いで取り組むことが、良いビジネスモデルにたどり着く上で必要なんだと気合が入りました。
成 果
本プログラムは、アイデア自体を評価する、実証実験やビジネスに向けた実装を支えてくれるところが魅力です。意識して計画を立てることで、自分がやりたかったテーマの具体化を図れた、と手ごたえを感じています。食事でソリューションを提供したい、というアイデアをどうやってかたちにするか、TTSCでの出会いや取り組みは、別のアクセラプログラムにおいても、実施への自負や根拠になりました。株式会社日本総合研究所主催「Tokyo Technology Commercialization Program」中間発表会・ギャップファンド審査会での「GAP ファンド審査員特別賞」の受賞も、ここでの学びが生きているように思います。
プログラム終了後も、引き続き実証の場をつくっていけたらと思っています。将来的には、小山さんと、指導教員の山田拓司准教授と一緒に起業することを視野に入れています。「食の楽しみと健康の最大化」を理念に、「Bite then appetite peak (ひとくち食べたら食欲が増すように)」の頭文字をとって「BitaP(ばいたっぷ)」という会社を作る予定です。「健康」「腸内環境」に関心のある企業様や自治体、たとえば、スポーツジムや学食など、さまざまな場面での連携なども模索し、段階的なアプローチを展開していけたらと考えています!
参加を検討している学生へのメッセージ
ビジネスを興すためには、「外部から資金を得て→使用して→そこで出た成果を次の資金獲得につなげる」ということを行い、これを繰り返すことで実現したい世界に近づけていくのだと思います。TTSCはそういった一歩をサポートしてくれるプログラムだと思いますので、積極的に活用していくと良いと思います。
■立ち上げ予定の会社「BitaP」紹介ページ:https://2024080114251311764633.onamaeweb.jp/bitap/
■学術系クラウドファンディングサイト「academist」でのプロジェクトページ(~2025年03月27日(木)17:00まで):https://academist-cf.com/projects/371
(インタビュー・執筆 URA小川)
千葉のどか
生命理工学院 生命理工学系 生命理工学コース