2025年10月6日
日時2025年 10月6日(月)
令和7年6月28日(土)に開催された「第13回 1st Round 最終審査」において、本学教員が同時採択を果たしました。
• 伊原 学 教授(物質理工学院応用化学系) 採択
• 上野 隆史 教授(生命理工学院生命理工学系) 特別採択
「東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(UTokyo IPC)」による起業支援プログラム「1st Round」は、<アカデミアに関連する優れた技術や着想の事業化、社会実装を支援する国内最大のアカデミア横断型インキュベーションプラットフォームです(公式より)>。大学・研究機関発のシード段階技術を対象とした国内有数のプログラムであり、事業化ポテンシャルを有する研究成果によるテックスタートアップ(創業前、創業後)が多数エントリーする場として知られています。今回のW採択は、本学初の快挙であり、両氏の研究シーズの社会実装に向けた可能性の高さが改めて評価されたものといえます。
本学の研究の多様性とその事業化可能性の広さを示す象徴的な成果として、今後のスタートアップ創出にも大きな弾みとなりそうです。
• CASB power Inc. (設立準備中)
• CEO(東京科学大教授) 伊原 学
• CTO(東京科学大学助教) 亀田 恵佑
• CRO(東京科学大学研究員、元東芝エネルギーシステムズ フェロー)松永 健太郎
CASB power https://casbpower.com/
伊原・Manzhos https://imlab.cap.mac.titech.ac.jp/
世界初、 “カーボン空気二次電池(CASB)システム“の実用化
20年以上前にJSTさきがけで、世界で初めて固体炭素からの放電反応に成功。困難だった充電反応も克服し、劣化のない機構を開発。世界初、 “カーボン空気二次電池(CASB)システムの実用化で、安く再生可能エネルギーを活用できる社会への変革を目指す。蓄電容量アップに必要なのはカーボンのみ、1. 超コンパクト、2. 安全、3. 低コスト、4. 製品の安定供給が可能との優位性を有する新概念の蓄電池を実用化する。(設立準備中)
• Xtelligence Inc.(設立準備中)
• CEO 室伏 陽 (AND Africa創業者)
• CTO(東京科学大学教授) 上野 隆史
• CSO 土橋 匠 (大手商社にてスタートアップ投資/新規事業開発担当)
Xtelligence Inc. https://xtelligence.com/https:/
上野研究室 https://www.ueno.bio.titech.ac.jp/
Xtelligenceは、細胞内で生産された酵素を「PCM – Protein Crystal Material」と呼ばれる結晶タンパク質で内包することで、あらゆる高付加価値酵素の生産・利用を可能にします。このPCMは産業界に以下のような利点をもたらします。
①酵素の宿主細胞に対する細胞毒性を抑制し、飛躍的に高い収量を実現。
②酵素を安定化させ、これまで利用が難しかった環境下で生体触媒として利用することで、環境負荷の大きい化学触媒を代替。酵素のリサイクル利用も可能に。
③複数の酵素を同時に内包することで、複数回に渡る反応プロセスを1つに纏め、コスト最適化・製造時間短縮を実現。
Xtelligenceは、PCMを通じて持続可能な産業の形成に貢献します。
第5回1st Round 採択
東京科学大学認定ベンチャー 称号授与番号:T102 株式会社Logomix
生命理工学院 相澤准教授の研究室で培われたゲノム工学(解析、編集、合成)の研究成果を活用した事業。ゲノム構築技術プラットフォームを展開。産業に有用な細胞を創製するためのゲノム大規模構築技術プラットフォーム「Geno-Writing」の開発・運営を行う、グローバルスタートアップ。
伊原教授は Tokyo Tech Gap Fund Program(2023年度採択)、GTIE GAPファンド エクスプロールコースの採択者であり、上野教授もTokyo Tech Gap Fund Program(2024年度採択)、GTIE GAPファンド エントリーコース(2024年度採択)、GTIE GAPファンド 海外市場開拓実践コース(2025年度採択) に選ばれています。
Id機構では、これらのプログラムを通じて重点支援対象者である両氏に対し、事業戦略、知財、資金調達など多方面から伴走支援を行ってきました。今回の成果は、研究者の挑戦と努力の結晶であると同時に、こうした伴走支援の積み重ねが実を結んだ事例ともいえます。
今後もId機構は、大学発スタートアップの創出に向け、研究成果の事業化を志す研究者を全力で支援してまいります。