大学院医歯学総合研究科

本研究・事業計画では、2つの事業内容を主目的とする。第一に創薬企業や医薬品開発業務受託機関を顧客とし、創薬が進んでこなかった慢性腎臓病という国民病について、患者摘出腎由来のオルガノイドを用いた薬効・毒性試験のプラットフォームを提供し、慢性腎臓病およびその他の腎疾患治療薬のヒトにおける薬効・毒性評価の実現を図る。また、第二に代表者らがライブラリ化を行っている数十例のヒトの摘出腎由来のオルガノイドを用いて、腎疾患を超えてさまざまな疾患に対する新規創薬について、腎毒性のsemi-personalizedな毒性評価を可能とする。生体医工学と臨床医学の共創により生み出した独自技術により、創薬の世界に革新をもたらす。
慢性腎臓病に対する腎機能を改善させるような創薬は実現されていない。その原因として、寿命の短いマウスによる動物モデルや既存の細胞モデルでは、寿命の長いヒトの慢性腎臓病の病態の精緻な模倣ができず、創薬のためのインフラが未整備であった点が挙げられる。代表者らがライブラリ化・開発を行っている患者摘出腎由来のオルガノイドと、腎臓における血流・尿流をも再現する腎臓模倣システムにより、ヒト慢性腎臓病の最も忠実な再現を確立する。本研究の成果の事業化により、ヒトの生物学的多様性、生物学的妥当性、物理環境の妥当性を実現する薬効・毒性試験プラットフォームを確立し、慢性腎臓病の枠組みを超えて「創薬インフラを再定義」する。
東京科学大学医療イノベーション機構|研究者インタビュー|森 雄太郎
非臨床試験・オルガノイド・ヒト初代細胞・疾患モデル・慢性腎臓病