生命理工学院

現在利用されている抗生物質は広範囲の細菌に作用するため、腸内細菌叢全体を乱し、耐性菌の出現や副作用を引き起こす可能性がある。このため、疾病の発症や予後に関与する特定の細菌のみを選択的に制御する新しい介入手段が求められている。本研究では、化合物構造情報と細菌ゲノム情報を統合的に学習することで、低分子化合物の抗菌スペクトルを設計・予測する機械学習プラットフォームを開発し、大腸がん関連細菌を精密に制御する種特異的抗菌化合物の創出を目指す。本研究により、抗菌化合物探索に抗菌スペクトル設計という新しい概念を導入する。
将来的には、本プラットフォームを大腸がん領域にとどめず、腸内細菌との関連が報告されている様々な疾患領域への展開も視野に入れ、複数の疾患領域にパイプラインを拡張可能な創薬基盤として発展させたい。近年の研究では、腸内細菌が関与する疾患はIBD、糖尿病、動脈硬化、認知症など多くの領域に広がっており、本プラットフォームの意義は大きい。
本事業を通じて、マイクロバイオーム創薬における新たな標準技術を確立し、その社会実装を進めることで、腸内細菌を「全体として調整する」従来型アプローチから、「病因細菌を精密に制御する」新しい創薬パラダイムを切り開く。
薬系化学および創薬科学関連
細菌学関連
生命・健康および医療情報学関連